2001年9月11日の事件は今でも忘れられません。
当時は日本にいたものの、学生時代の留学先がニューヨークだったので、友人や恩師、そしてニューヨークのおばちゃんが無事かどうか確認するのに必死でした。
特におばあちゃんは、現場から割と近い都会の中でたった一人で暮らしていたため、無事が確認できるまで生きた心地がしませんでした。
事件の日は、自宅窓が白い煙で覆われて何も見えなかったそうです。猫のクリーオを抱きながら、ただただ平和を祈っていたそうです。
私はおばあちゃんに、「絶対にニューヨークに行くから待ってて。おばあちゃん、一人じゃないからね!」と伝えてから、ようやく現地に行けたのは4年後でした。
久々の再会は、お互いに涙の流しっぱなし。長い時間ハグをして、「世界中が平和になる日がくることを祈り続けましょう」とおばあちゃん。
おばあちゃんのほかに、留学中に私を娘のようにかわいがってくれた語学学校の先生がいて、留学を終え日本へ帰国する際に、先生が大切にしていた十字架のネックレスをいただきました。
私はキリスト教徒ではないため、こんなに大切な十字架をいただくのは申し訳ない気がしたのですが、先生は「国や宗教の違いは関係ない。祈る気持ちはみんな同じだから、チアキがこの十字架を持っていて」と言ってくださいました。
写真ではわかりにくいのですが、十字架のネジが外れています。
これは、先生が十字架を握りしめてお祈りしてきた証。祈りすぎてネジが外れたのです。
この尊い願いが込められた十字架を持って、グラウンドゼロへも足を運びました。
2005年に私が訪れたときは、鉄骨の十字架が残されておりました。
現在は新たに1ワールドトレードセンターが建てられて以前とは変わっているようです。
ニューヨークのおばあちゃんですが、数年前から電話で話すことも困難になり、息子に会わせる夢は叶いませんでしたが、現在は天国から息子のことも見守ってくれていると思います。
世界中の平和を願っていたおばあちゃんの想いを受け継いで、私も平和を祈り続けます。
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